米銀は耐えられるか 2011 11 5

10月23日の日本経済新聞Web版には、このような記事がありました。
「欧州債務危機、米銀は耐えられるか」
「欧州債務危機が厳しい展開を見せたとき、
大西洋の対岸、米国の銀行は耐えられるだろうか」
 これに対しては、
バーナンキ議長の「さほど懸念はしていない」というのが、
市場の共通認識でしょう。
 しかし、この記事では、このような分析があります。
「ただ、もう一つの数字として『他の潜在的な与信』がある。
金融派生商品(デリバティブ)や使われていない与信枠などで、
その規模は5500億ドルある。
 担保やヘッジ分を考慮していない名目値で報告された数値で、
実態よりも膨らんで見えるというのが、市場の解釈ではあるが、
この数値自体を比較すれば、欧州の銀行に匹敵する大きさであることは見逃せない」
「もう一つ市場が警戒する潜在リスクは、
マネー・マーケット・ファンド(MMF)の解約がもたらす銀行の資金繰り不安だ。
リスク回避で投資家が一斉にMMFから資金を引き揚げた場合、
米銀であっても短期の資金繰りに窮するリスクは否定しきれない」
 さて、その時、日銀は、どうするのか。
万が一、第二のリーマンショックが起きたとき、
日銀は、世界を救うのか、逃げるのか。
 イタリアのための防火壁ではありません。
欧州債務危機が、アメリカに波及しないように防火壁を築くべきです。
 この記事の文末には、こう書いてあります。
「夏以降、米銀の株価と欧州銀の株価が、
極めて高い連動を示していることは見逃せないだろう」

CDSの行方 2011 10 30
 ホリコキャピタルマネジメントの堀古氏は、
MONEY JAPANのメールマガジンで、こう書いています。
「欧州債務問題、最悪の事態は回避したが・・・・・」
 CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を発動せずに、
50%の債務減免が本当に実現できるかということです。
 ギリシャ国債のヘッジとしてCDSを保有していた銀行は、
ギリシャ国債で損失が出る一方、
CDSでそれが補填されないという状態が起こります。
 また今後、特にソブリンに関しては、
「CDSはヘッジにならない」と認識されるようになれば、
銀行は信用リスクのヘッジ手段を失い、
ひいては債券売りや貸し渋りに繋がることになるでしょう。
 次に、EFSF(安定化基金)は4〜5倍のレバレッジがかけられることになります。
これは短期的に十分と見えても、
一旦事態が悪化方向に向かい始めれば、
逆に4〜5倍のスピードで基金が枯渇していくことになります。
(以上、引用)
 とりあえず、欧州債務問題は、沈静化に向かいますが、
いずれにせよ、将来、ユーロは破綻に向かう可能性があります。
 みんなギリシャに注目していますが、
「はたしてドイツ経済がいつまで健全でいられるか」、
そういう声がささやかれるようになりました。
 さて、CDSという仕組みは、リーマンショックの時に、目の敵にされました。
特に政治家からは、激しい非難を浴びたと思います。
 確かに、CDSにはマイナスの面があります。
しかし、マイナスの面を強調しすぎて、プラスの面を忘れています。
 ところで、「レバレッジ」は、リーマン・ブラザーズの得意技でしたね。
この言葉、久しぶりですね。
リーマンショックの時は、時代の流行語になりました。
 「人類の叡智」と言われた欧州の迷走を見るのは、つらい。
日が暮れるのは早い。
日が暮れぬうちに金貨を見つけた者は夜が短い。





























































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